士幌の味を手作りで。
「カフェまるく」
「地方にはおしゃれなカフェがないんだよなぁ」そんな声が未だに聞こえてくる2021年の士幌に、2012年から続く素敵なカフェがあります。
カフェまるくがあれば、一人の時間も、友人との時間も、大切なパートナーとの時間も落ち着いた素敵な時間に。まさに、士幌ライフを充実させてくれる場所です。
そんなクオリティオブライフ上がること間違いなしのまるくさんは、できれば誰にも教えたくない、そんな場所でもあります。しかし、今回はあくまでも士幌町の魅力を発信する企画。「これぞ士幌」とも言える景色の中にある素敵なカフェの魅力を余すことなく伝えられるよう、全力で取材させていただきました。
カフェまるくのほとんどのメニューは店主の田中さんが一から作り上げる手作りのものばかり。町民に愛されるその手作り料理を食べようと、まずは人気のパンセットを注文。
パンも全て手作り。士幌町産の小麦を使用したパンは、食べてホッとするそんな優しい味がします。
パンセットについているキッシュも町民に人気の一品。ごろっと入っている野菜たちを優しい口当たりの卵で包む…最高です。
続いて、注文したのは、こちらも手作りの豆乳プリン。
こちらはなんと畑でとれた大豆を豆乳にするところから作っているそうです。そんなこだわりのプリンは、
食事に夢中になっていると、店の奥から寡黙で優しい雰囲気の女性が出てきてくれました。
名前は田中いずみさん。2012年の夏にオープンしたこのお店の店主で現在は一児の母でもあります。
畑のど真ん中。そのわけとは。
―どうしてこんな畑のど真ん中でお店をやろうと思ったんですか?
実はここ、元々は普通の民家で、私の親せきが住んでいたんです。その方が離農されて、10年くらい空き家になっていたんです。ちょうど、札幌から地元に帰ろうと思っていた時に、母がここで何かやらないかと声をかけられまして(笑)そこからこのお店は始まりました。
―飲食店のご経験があったんですか?
いいえ。(笑)札幌にいた頃は洋服の販売をしていて、全く飲食業の経験はありませんでした。だからまさか自分がカフェをやるなんて思ってもいなかったです。偶然が重なって、いろんな人が助けてくれて、何とか開くことができたんです。
―すごく素敵な空間に感じるんですが、この空間はどうやって作られたんですか?
自分でやる自信がなかったので、士幌の大工さんに相談して、こういう風にしてほしいというのを伝えて、ほとんどやってもらいました(笑)家具は自分で少しづつ買い集めてきたものですね。
母と二人三脚。
─飲食経験がないということでしたが、どのようにメニューを考えていらっしゃるんですか?
本とかネットで見つけたものを何度も試作して、なんとかやっています。完全に独学です。(笑)
―あんなにおいしいのに独学なんですね。。。試作をしていく中で、商品になる条件とかはありますか?
家族に食べてもらって判断することが多いです。母は結構味に敏感なので厳しい意見をもらうことも(笑)でもすごく助かっています。
―先ほども少し触れましたが、食材へのこだわりとかってありますか?
使う食材全てではないですが、あまり農薬とかを使っていないものを使おうという風には思ってます。店のすぐそばに小さい畑があるんですけど、そこで夏場はトマト、ナス、ピーマンなどを育てて、料理に使っています。私はお店のメニューだけで手いっぱいなので母がサポートしてくれています。
―お庭もお母さまがやられてると聞いたのですが本当ですか?
そうですね。改装したときは鬱蒼(うっそう)としていたんですけど、そこを父と母で切ってきれいに整理してくれたんです。
―まさに二人三脚ですね。
マルク時間
―奥に見える「まるくの森」も魅力的ですね。
単純にちっちゃな森みたいな感じなので、案内看板を作って、子どもたちが楽しめたらいいなっていう感じでやってます(笑)
―そうなんですね。あと、さっきから気になっていたんですが、洋服の販売もされているんですか?
帯広にHueっていうリネンのお店があるんですけど、そこにオーダーしたものを置かせてもらってます。デザインはHueさんでやってくれて、それをお店にある好きな生地で作ってもらってます。
―毛糸の靴下も!!
これは祖母が編んでくれたものです。ボケ防止で編んでるんですけどね(笑)女性の方が重ね履きするのにちょうどいいサイズだと思います。
―食事、景色、洋服、そして店内の雰囲気。どれもすごく魅力的ですが、ここでどんな風に過ごしてもらいたいとかっていうのはありますか?
好きなように過ごしてもらいたいですね。(笑)男女問わず、お一人でのご利用も多いんですけど、外を眺めながらゆっくり過ごしてる方もいらっしゃいます。本とかも置いてるので、読書をしながらでもいいですし、お友達と来てもいいですし、、、好きなように、落ち着いて過ごしてほしいですかね。自由です。(笑)
窓から素敵なお庭を眺めながらゆったりと過ごすことができるカフェまるく。
老若男女問わず、一人で訪れても全く違和感のない店内の雰囲気は、店主の田中さんのやさしさの表れなのだと感じました。まるくの野菜は、お店の周りでとれた新鮮なものばかり。
十勝の土で育てられた野菜たちを一番最初に一番おいしく食べられる、そんな特等席であなただけの素敵な「まるく時間」をお過ごしください。