酪農家の母の夢を実現する
Farm Kitchen 佐倉cafe
ピア士幌21から車で10分。畑が広がる道路を横切りながら士幌町佐倉地区へと向かっていきます。牧場が並ぶ道を横目に車を走らせていると、ふと目がいく明るい色を使った建物が見えてきました。
ここが家族経営の牧場が営む「佐倉cafe」です。
(2021年の営業は4月1日〜)
早速、店内に入店してみると、白を基調としたゆったりと落ち着いた空間が広がっていました。
佐倉cafeの北出愛さん(娘)は、この内装への想いを、多くの人が集まってみんながゆっくりできる場所、お家みたいに「お帰り」って言えるホッとする場所、を目指して空間づくりをしているといいます。
カウンター席は料理を作るお店のお母さんとゆっくり会話が楽しめる設計に。ボックス席も縦に長く、一人一人ゆとりを持って座れる設計になっています。
人気のメニューは「今日の気まぐれランチ」
基本は7品で構成されているのですが、この日にはなんと11品もありました。
料理のこだわりは、季節によって、その時においしい材料をつかうということ。士幌町内での仕入れをしつつも、自宅のハウスでちょっとした野菜を育てたり、
(それがちょっとした感じでもないのですが、キャベツ、レタス、小松菜、とまと、ピーマン、なす、しし唐、しそ、ビーツ、枝豆などだそう。)
牧場に実習で来た人たちから毎年、その土地の美味しいものが送られてきたり、(鹿児島の安納芋、ドラゴンフルーツ、菊芋などが送られてくるそう)
あとは、春になるとお父さんが山から山菜を採ってきたり。
その時に揃う食材をみて、お母さんが「今日はこれとこれを作ろう」なんていうことから始まる「気まぐれ」の献立が揃うメニューになっています。
合わせて食べたいのが自家製のデザート。
同じ敷地内で製造している自家製ヨーグルト(生乳100%ヨーグルト)を使ったロールケーキ
自家製のリンゴジャムを使ったシフォンケーキ
完熟バナナとコラボしたヨーグルトのスムージーや手作りのハスカップソースや木苺ソースを使ったヨーグルトラテが楽しめるのも、佐倉cafeだから楽しめるポイントの一つです。
さらには、お持ち帰りには自家製ヨーグルトを使ったチーズケーキを提供。あっさりさらっと食べられるチーズケーキは、家族や手土産などに最適です。
そして、佐倉cafeを始める前から製造販売している「生乳100%ヨーグルト」は、「牧場を身近に感じてもえるきっかけ」を、という想いで製造を続けています。今では士幌町の名物商品になり、佐倉cafeではもちろんのこと、ピア21しほろでも販売をしています。プレーンでも甘みと香りが広がる牛乳本来の美味しさを生かした味は、ぜひみなさんにも味わっていただきたい一品。
最後に、今回お話を伺うことができた佐倉cafeの北出愛さんから、お母さんの想いをお聞きすることができました。
北出さんは早速、大きな絵を見せてくれました。
「今やっていることは、6年ほど前に両親と話をして、こういうことをやりたいよねというイメージした、飛び出す絵本みたいなものをつくってもらって、少しずつそれを実現しているような感じですね。」
長年、酪農の仕事をしてきた中で、酪農にある日常が素敵だとお母さんは常々言うそうです。牧場の中に溢れている魅力を多くの人に知ってもらうための一つの方法として、カフェが始まりました。
「だから、このカフェも母の夢である「たくさんの人が集まれる場所を作って、自分が好きな料理を出して…」と思い描いていたものが現実になっているんです。だから、この場所を私は「母の城」と呼んだりしています。」
「私は小さい頃から、母に「ここから見える山の形や星もすごくきれいだ」といわれ続けて、私も今でもやっぱりそう思うし、そんな私たちがきれいだって思う景色をたくさんの人にみて欲しいなって思っています。佐倉cafeに来るまでの道のりで農村風景を感じ、ゆったりとした店内で「ただいま」と言いたくなるような母の料理を食べてもらえたらいいなと思ってます。」
さらに農村風景を楽しんでもらおうと、宿泊施設があると聞いたのですが。
「はい。長期滞在することでここから見える夕日や、星空観賞、季節によって変わる牧草を刈った青々しい匂いや、堆肥の匂いをなどを通じて農村生活を丸ごと体験してもらえたらいいなと思っています。」
まさに夢の城が一つ一つ着実に形になっていて、この場所に多くの人が訪れて欲しいなと、私自身も共感しながら話を聞かせてもらいました。夢を語り、実現していく。北出さんとお母さんのお話を聞いて、自分自身の夢を具体的にそして、みんなに語れるようになりたいと強く感じました。そして、春になって佐倉cafeの営業が開始されれば、カウンターに座ってお母さんともぜひゆっくりお話を聞いてみたいなと思います。
北出さん、お話を聞かせていただきありがとうございました!