ピア21通信

商店街紹介

世代を超えて愛されるラーメン屋
「ラーメンハウス三平」

道の駅ピア21しほろから車で5分。士幌町中心部にたたずむラーメンハウス三平。

黄色の看板が目印のどこか懐かしさを感じるラーメン屋さんです。

今回取材班は士幌に住んでいる人しか知らない士幌のお店のディープな魅力を迫るために町民アンケートを行いました。

ということで今回は町民の方の声をもとに士幌で長年にわたってラーメンハウス三平を営んでいる中島さんご夫妻にお話を伺っていきたいと思います。

実食!

腹が減っては取材はできない!ということでさっそく

町民アンケートで一番声が多かった「うまからチーズラーメン」をいただきます。

十勝産小麦を使用した中太のストレート麺。うまからスープ、チーズ、中太ストレート麺がよく絡みます。店主の中島さんいわくパスタにしてもおいしい麺。少し不思議な食感です。

辛いスープと溶けたチーズが絡み合い、辛さを残しつつマイルドで食べやすい一杯。インタビュアーは激辛を食べましたが気づいたときにはスープまで完飲していました。

こういうお店にくると餃子も頼みたくなってしまいしまいますよね… なぜなのでしょう。 

ラーメン、餃子を存分に堪能させていただいたところで、中島さんご夫妻にラーメン三平のこれまでやこだわりについてお話を伺いました。

北海道産の小麦をラーメンに

―アンケートの回答をみているとうまからチーズに関してのコメントが多く、メニューを見てみても他にもチーズを使った料理がとても多いなと感じますが、チーズを使用したラーメンを始めるきっかけはあったんですか?

中島さん

士幌高校でチェダーチーズを作っていたからそのチーズを使ったラーメンをつくろうと思って始めました。

―高校から提案があったわけではなく自分から始めた形ですか?

中島さん

うん。そうですね。

―なるほど。他に「いまはやってない辛チャーハンがまた食べたい」というコメントもありましたが辛チャーハンはどんなメニューだったんですか?

中島さん

辛いチャーハン。(笑)ラーメン屋なのにチャーハンが出すぎてやめました。(笑)

―出すぎてですか(笑) ラーメンにこだわりたいということですか?

中島さん

うん、そうだね。二人しかいないしね。手間のことも考えてね。

中島さん

北海道産小麦を使い始めたのは十勝の中でうちが最初なんだよね。最初の頃は芽室産の小麦を使った自家製麺。大きいところはなかなか切り替えられないからね。

―使い始めた時期はいつ頃なんですか?

中島さん

14年前かな。最初は十勝産の小麦で、いまは十勝産の小麦が他とブレンドされているから北海道産の小麦だね。

―小麦だったり、チーズだったり、食材に対するこだわりが強いんですか?

中島さん

それもあるね。カンスイも本当は添加物なんだけど、自然のものを使ってますからね。だからおなかがもたれない。

―なるべく体にいいものや地場産のものを提供しようとしているんですね。


建築屋から飛び込んだラーメンの世界


―ラーメン三平を始められて何年になりますか?

中島さん

24年になるかな。

ー中島さんが始められたんですか?

中島さん

元々は親父がここで中島機械店っていう農業機械の会社をやっていて、私は東京で建築屋をしていました。28の時に東京から戻ってきて中島機械店の仕事をしていたんですけど、親父が亡くなったのをきっかけにラーメン屋を始めました。

―どうして建築業をやめて士幌に戻ってきたんですか?

中島さん

いやまあなんて言うのかな。耐震診断っていうのをやっていたんですよ。地震に関わる仕事だったから地震の怖さを肌で感じて逃げてきました(笑)


―機械店を畳んでラーメン屋を始めたのはどうしてですか?

中島さん

ラーメンが好きだから(笑)


―ラーメン屋を始めるにあたってどこかで修行されたんですか?

中島さん

音更町の木野にあるラーメンハウス三平で修業しましたね。

―修行を経てこのお店を始める中で大変だったことはありましたか?

中島さん

なかなか最初はね、認知されないからね。そのころはね、まちの人のほとんどが来たことなかったんじゃないかな。いまでも結構いるんじゃないかな。でも常連さん来ればやっていけるよ。年月経てば経つほど、来てた子たちが、士幌高校に行ってた子たちが子供を連れてきてくれたり、そういうお客さんがだんだん増えてきてるね。

―それはうれしいですね…


取材を終えて

中島さんは自分から多くを語ろうとはしない方でしたが、私たちの食材やこだわりへの質問に対して返ってくる言葉ひとつひとつに静かな情熱を感じました。

まちのラーメン屋さんは景色として認識していても足を運ぶきっかけがなく、いつまでも景色のままになってしまう場所なのかもしれません。景色のままでもいいのかもしれないけれど、今までただ通り過ぎていた何気ない景色に情熱や誰かの思い出が詰まっていると知れたら、自分たちが暮らすまちが前よりもすこし素敵な場所に感じられるような気がします。

そんなことを考えながら食べるラーメンも、そんなことを考えずに無心ですするラーメンも、どちらも魅力的に感じます。

あなたなりの楽しみ方で、士幌のまちのラーメン屋さん、ラーメンハウス三平に足を運んでみてはいかがでしょうか!



〒080-1227 北海道河東郡士幌町士幌163−番地