ピア21通信

商店街紹介

常連に愛され、励まされ、
先代の残した「こうじ」を一筋に守る
「田村醸造店」

道の駅ピア21しほろから南へ5キロ行ったところにある中士幌地区。士幌町の入植・開拓はここ中士幌地区からスタートしたのです。今は閉店した商店が多く、車で通っただけでは、シャッター通りに見える。しかし、中士幌地区には人口は600人が住んでいて、小学校もあります。

そして、独自に歩んできた歴史を今も継承しづける商店がいくつかあります。今回は昭和8年創業の田村醸造の田村誠悟さんのもとにお邪魔をしました。

ひとり黙々と麹づくりと向き合う。

田村醸造さんでは、「米こうじ」と「麦こうじ」を製造しています。

米こうじ
麦こうじ

「こうじ」と聞いて皆さんはどういうイメージでしょう?

私は正直、お味噌のイメージくらいしか思い浮かびませんでした。しかし、今は空前(?)の麹ブーム。塩こうじに醤油こうじ、甘酒、漬物、お菓子作りにも。とっても万能な発酵食品。米こうじにはビタミンB1、B2、B6、葉酸、パントテン酸、ナイアシンなどとっても豊富です。


―田村さん、この工場のこと色々見せていただけますか?

田村さん

そんな見るところもないけど・・・発酵部屋・・・見る?あんまり見せたくないけど・・・

そういって、室(むろ)に案内してくれました。厳重そうな扉を開けると・・・むわっとする暖かさ。

中に入ると・・・

びっしり均等に、美しく並ぶ発酵中のこうじたち。

ここで3日間くらい発酵しているそう。

田村醸造では朝、早朝6時頃から仕込みが始まります。

お米を洗って、蒸して、麹菌を植えて寝かせる。早朝じゃなきゃ発酵が進まず、菌の着きがよくないそう。

子育てのように、何度も、何度も夜も、こうじの状態を確認してあげます。

田村さんがお父様から田村醸造を引き継いだのは24歳の時。元々、東京で同じような業態の営業の仕事をしていましたが、お父様が体調を崩したのをきっかけに士幌町に帰ってきました。

当時は(38年くらい前)までは、味噌、醤油も製造していた田村醸造さん。


―この仕事を通してやりがいはどのようなところにありますか?

田村さん

そんな堅苦しいの苦手だからな・・・。たださ、「これからもこのこうじ作りを続けてね」とお客さんに言われると、それが励みになるんだよな。70歳まではなんとか頑張らなきゃ。

田村さんのこうじを愛するお客さんは北海道内にたくさん。

シャッターが開いていたら工場にいるから。ふらっとおいで。と笑顔で見送ってくれました。



〒080-1189 北海道河東郡士幌町中士幌西2線76番地